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要旨:
経済的繁栄と政治的安定を享受した感のあるメルケル政権の後を継いだ3党連立の新政権は、欧州および世界に対する自国の立ち位置を決めかねている。ウクライナを巡って激しく対立する米国およびロシアとどういう関係を築いていくか、欧州をともに主導すべきフランスとの欧州統合や安全保障を巡る考え方の違いをどう乗り越えるか、さらには、連立政権内でも欧州統合や外交政策などで際立った主張を持つ緑の党とどう折り合いをつけるかなど、困難な課題が山積している。米国の衰退と中国の勃興によって世界の勢力図がいよいよ不安定になっているなかで、欧州の中軸国としてのドイツの舵取りの難しさを概観する。